2025.03.03
家紋にはどんな種類がある?意味や着物に入れる紋の数・位置を解説
豆知識

こんにちは、着物あづまやです👘
黒留袖や喪服などの着物をよく見ると、背中や袖などに小さな印が入っていることがあります。
これが「家紋(かもん)」です。
家紋には非常に多くの種類があり、植物や動物、自然、道具などをモチーフにしたさまざまなデザインがあります。
また、着物では単なる模様として使われるのではなく、家紋を入れる数や位置によって着物の格式を表すという大切な役割もあります。
今回は、家紋の意味や代表的な種類、着物に入れる家紋の数や位置について、着物専門店がわかりやすくご紹介します。
家紋とは?
家紋とは、家や一族などを表すために使われてきた日本独自の紋章です。
日本では古くから、それぞれの家を示す印としてさまざまな家紋が受け継がれてきました。
現在では日常生活の中で家紋を目にする機会は少なくなりましたが、着物や墓石、仏具などで目にすることがあります。
特に着物では、礼装の格式を表す重要な要素のひとつとして現在も使われています。
家紋にはどんな種類がある?
家紋には非常に多くの種類があり、同じモチーフでも形や組み合わせによってさらに細かく分かれます。
ここでは代表的な家紋を、モチーフごとにご紹介します。
植物をモチーフにした家紋
日本の家紋には、植物をモチーフにしたものが数多くあります。代表的なものには、
・桐紋
・藤紋
・梅紋
・桔梗紋
・柏紋
・葵紋
・片喰(かたばみ)紋
などがあります。
植物は成長や繁栄、生命力などを連想させることから、家紋の題材として広く用いられてきました。
同じ植物でも「丸に○○」「○○菱」など、形を変えた多くの種類があります。
動物・生き物をモチーフにした家紋
動物や昆虫などをデザインした家紋もあります。
代表的なのが、
・鷹の羽紋
・蝶紋
・千鳥紋
・鶴紋
などです。
なかでも鷹の羽紋はよく知られている家紋のひとつです。
鷹の羽は武勇を連想させることなどから武家にも好まれ、羽を交差させた「違い鷹の羽」など、さまざまな形があります。
幾何学的な形を使った家紋
家紋には、線や図形を組み合わせた幾何学的なデザインもあります。例えば、
・亀甲紋
・菱紋
・七宝紋
・巴紋
などがあります。
シンプルながら印象的なデザインが多く、さらに植物など別のモチーフと組み合わせた家紋もあります。
道具や武具をモチーフにした家紋
生活道具や武具などを図案化した家紋もあります。・矢紋
・扇紋
・軍配紋
・鍵紋
など、その種類はさまざまです。
このように家紋には、身近な植物から動物、自然、道具まで、実に幅広いものがモチーフとして使われています。
家紋にはそれぞれ意味がある?
家紋について調べると、
「この家紋には長寿の意味がある」
「この家紋は繁栄を表している」
といった説明を見かけることがあります。
確かに、家紋に使われるモチーフには、縁起や願いと結びつけて語られてきたものがあります。
例えば、生命力の強い植物から繁栄を連想したり、亀甲から長寿を連想したりすることがあります。
ただし、すべての家紋に一つの決まった意味があるわけではありません。
家紋は家や一族を識別する印として発達してきたものでもあり、同じ家紋が複数の家で使われている場合もあります。
そのため、「この家紋だから必ずこの家系」「この家紋の意味は必ずこれ」と単純に判断できるものではないことも覚えておきましょう。
着物に家紋を入れるのはなぜ?
着物では、家紋は主に礼装の格式を表すために使われます。
特に黒留袖や喪服などを見ると、背中や胸、袖に白く家紋が入っているのがわかります。
紋の数には、
一つ紋・三つ紋・五つ紋
があり、一般的には紋の数が多いほど格式が高くなります。
ただし、単純に「紋を増やせばどんな着物でも格が上がる」というものではありません。
着物の種類や着用する場面に応じて、適した紋の数があります。
一つ紋・三つ紋・五つ紋の違い
・一つ紋背中の中央に家紋を一つ入れます。
色無地などに一つ紋を入れることで、紋なしの場合よりも改まった装いとして着用できます。
・三つ紋
背中に一つ、両袖の後ろに一つずつ、合計三つの紋を入れます。
一つ紋より格式の高い装いになります。
・五つ紋
背中に一つ、両胸に二つ、両袖の後ろに二つ、合計五つの紋を入れます。
五つ紋は最も格式が高く、黒留袖や喪服などの正式な礼装で用いられます。
家紋を入れる位置はどこ?
着物の家紋には、入れる位置にも決まりがあります。
・背紋(せもん)
背中の中央に入れる紋です。
・抱き紋(だきもん)
左右の胸に入れる紋です。
・袖紋(そでもん)
左右の袖の後ろ側に入れる紋です。
そのため、
一つ紋:背紋のみ
三つ紋:背紋+左右の袖紋
五つ紋:背紋+左右の抱き紋+左右の袖紋
という配置になります。
着物によって家紋の数は違う?
家紋の有無や数は、着物の種類によって異なります。
・黒留袖
黒留袖は、既婚女性の第一礼装です。
一般的に染め抜き日向五つ紋を入れ、結婚式では新郎新婦の母親や既婚の近親者などが着用します。
・色留袖
色留袖には、五つ紋・三つ紋・一つ紋などがあります。
紋の数によって格式や着用できる場面が変わるため、用途を考えて選ぶことが大切です。
・喪服
正式な喪服である黒無地の着物には、一般的に染め抜き日向五つ紋を入れます。
・色無地
色無地は、紋を入れるかどうかによって着用できる場面が変わります。
一つ紋を入れて、お茶会や式典などの改まった場で着用することもあります。
帯の合わせ方によっても装いの格が変わるため、幅広い場面で活用できる着物です。
・訪問着
訪問着は、現在では紋を入れずに仕立てることが一般的です。
紋なしでも結婚式への参列や式典など、さまざまなフォーマルシーンで着用できます。
用途によって一つ紋を入れる場合もあります。
・振袖
振袖は未婚女性の第一礼装で、現在では紋を入れずに着用することが一般的です。
成人式で着る振袖にも、通常は家紋を入れません。
・小紋・紬・浴衣
小紋・紬・浴衣などは基本的に普段着やおしゃれ着として着用するため、一般的には家紋を入れません。
ただし、紬などには例外もあり、着物の種類や用途によって扱いが異なる場合があります。
「染め抜き紋」と「縫い紋」の違い
着物の家紋は、表し方にもいくつか種類があります。代表的なのが染め抜き紋と縫い紋です。
染め抜き紋は、生地を白く染め抜いて家紋を表す方法です。
なかでも紋の形を白くはっきりと表す「日向紋(ひなたもん)」は格式が高く、黒留袖や正式な喪服などに使われます。
一方、縫い紋は刺繍によって家紋を表す方法です。
染め抜き紋より装飾的で、略式の紋として用いられます。
着物に紋を入れる場合には、数だけでなく、どの方法で紋を表すかによっても格式が変わります。
自分の家紋がわからないときは?
「着物に家紋を入れたいけれど、自分の家の家紋がわからない」という方も少なくありません。
家紋は、家族や親族に確認するほか、お墓、仏壇、古い着物などから確認できる場合があります。
家紋の詳しい調べ方については、別の記事でご紹介しています。
→ 自分の家紋がわからない!調べ方や確認方法を着物専門店がわかりやすく解説
家紋を知ると着物の見方も変わります
家紋は、古くから受け継がれてきた家や一族を表す印であると同時に、着物では礼装の格式を示す重要な役割を持っています。同じ着物でも、紋の有無や一つ紋・三つ紋・五つ紋の違いによって、着用する場面が変わることがあります。
また、家紋には植物や動物、幾何学模様など非常に多くの種類があります。
ご自宅に黒留袖や喪服などがある方は、ぜひ一度家紋にも注目してみてください。
「この着物にはどの紋を入れればいい?」
「譲り受けた着物の家紋はこのままで大丈夫?」
など、着物と家紋についてわからないことがございましたら、着物あづまやまでお気軽にご相談ください。
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