2024.08.08
きもの ことわざ・慣用句
コラム
着物に関する慣用句やことわざは、日本の文化や生活の中で長い歴史を持ち、多くの教訓や知恵が込められています。
ここでは、着物に関連する代表的な慣用句やことわざをいくつか紹介します。
1. 故郷に錦を飾る
意味:「錦(にしき)」とは、多種多様な色の糸を使った織物。故郷を離れていた者が、立派な着物を着られるほど立身出世して帰ってきたことを表しています。
類義語:一旗揚げる・立身出世する・一花咲かせる・大成する
2. 裃を脱ぐ(かみしもをぬぐ)
意味:公式の立場や格式ばった態度を取り除き、リラックスした状態になること。
例文:会議が終わって、皆が裃を脱いで本音で話し始めた。
類義語:腹を割る・打ち解ける
3. 袖振り合うも他生の縁(そでふりあうもたしょうのえん)
意味:ちょっとした出会いも前世からの因縁であるということ。「他生」とは生まれ変わり「前世」「輪廻転生」を意味します。
例文:彼と出会ったのも、袖振り合うも他生の縁というものでしょう。
4. 袂を分かつ(たもとをわかつ)
意味:互いに別の道を進むこと、関係を断つこと。
例文:二人は意見の違いから袂を分かつことになった。
5. 袖に涙をしぼる
意味:深い悲しみや感動により涙を流すこと。
例文:彼の話に、みんなが袖に涙をしぼった。
6. 襟を正す(えりをただす)
意味:自分の態度や行動を改めて、しっかりとした姿勢をとること。
例文:彼の話を聞いて、私も襟を正さなければと思った。
7. 裾を濡らす(すそをぬらす)
意味:誰かのために苦労することや、手助けすること。
例文:彼はいつも友人のために裾を濡らす人だ。
8. 襷に当たる(たすきにあたる)
意味:仕事や役割がうまく合うこと。
例文:彼の能力がこのプロジェクトに襷に当たっている。
9. 帯に短し襷に長し(おびにみじかしたすきにながし)
意味:中途半端でどちらの用途にも役に立たないこと。
例文:そのサイズの洋服は帯に短し襷に長しで困ったものだ。
10. 着物が揃う
意味:すべてが整い、準備が完了すること。
例文:結婚式の準備が着物が揃ったように整った。
11. 襟を正す
意味:自分の態度や行動を改め、気持ちを引き締めること。
例文:彼の厳しい指摘を受けて、襟を正すことにした。
12. 袖を通す
意味:実際に行動を起こす、または参加すること。
例文:そのプロジェクトに袖を通してみたが、予想以上に大変だった。
13. 着たきり雀(すずめ)
意味:いつも同じ服装をしていること。
例文:彼は毎日同じ服を着て、まるで着たきり雀のようだ。
14. 衣替え(ころもがえ)
意味:季節に応じて服装を変えること、または心機一転すること。
例文:春が来て、衣替えの時期になった。
15. 花より団子
意味:見た目や形式よりも実質を重視すること。
例文:旅行先では花より団子で、観光よりも食事を楽しんだ。
16. 帯を締める
意味:気を引き締めて準備を整えること。
例文:大会に向けて帯を締めて頑張るぞ。
17. 袖の下
意味:賄賂(ワイロ)を意味する言葉。
例文:袖の下を渡して、許可を得ようとした。
18. 下駄を預ける
意味:重要な判断や決定を他人に任せること。
例文:プロジェクトの最終決定は彼に下駄を預けることにした。
19. 羽織を脱ぐ
意味:正式な場から離れてリラックスすること。
例文:パーティーが終わって、皆が羽織を脱いでくつろいだ。
20. 袖に風を通す
意味:新しい風を取り入れる、またはリフレッシュすること。
例文:長い間同じ環境にいたので、袖に風を通すために旅行に出かけた。
これらの慣用句やことわざは、着物が日常生活の一部であった時代の人々の知恵や教訓を反映しています。
それぞれの言葉に込められた意味や背景を理解することで、日本の文化や価値観に対する理解が深まります。